通信教育で勉強しただけで筆耕士になれるのか?|毛筆筆耕サービス

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通信教育で勉強しただけで筆耕士になれるのか?

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筆耕士を養成する通信教育の実用書道講座が気になる!?

東京筆耕堂は、賞状や卒業証書、毛筆での題字筆耕など毛筆筆耕サービスのご依頼にお応えするサイトです。書道師範でプロ筆耕士の旭径が運営しており、すべてのご依頼について旭径が筆耕をしております。
筆耕士を養成するスクールではありませんが、「筆耕の仕事をしたい!」という方からの、当サイトへのご訪問が増えてきています。これから筆耕のお仕事を始めたいという方にとっては、私のような現役筆耕士からの話が何かのお役に立つかもしれません。今回は、筆耕士を養成する(と銘打っている)通信教育の実用書道講座についてお話していきます。

 

実は私は、筆耕士として独立する前の会社員時代に、大手スクールの社員だった時期もあります。社会人教育についての裏話的なことも、知っていることが多いのです。ちょっと毒舌になってしまうかもしれませんがお付き合いください。。。

 

通信教育の実用書道講座のメリット・デメリット

いわゆる芸術書道ではなく、封筒の宛名書きや賞状技法などの実用書道を学んで筆耕の仕事をしたい、という方のための教育といえば、通学はもちろん通信教育も多数あります。ユーキャン、がくぶん といった通信教育大手を始め、賞状技法士講座などが有名です。

 

そして最近ますます増えているのが、個人の筆耕士方が独自に行っている、仕事に直結する?(と銘打っている)通信添削講座です。
「通信講座を受講し添削を受ければ、宛名書きも賞状書きの仕事も(誰でも)すぐにできます。」的な、もっともらしく大げさで、甘いトークたっぷりの通信講座も目にするようになりました。

 

通信教育講座の中身は、本や書道用具だけのものや、DVDやライトテーブル、そして動画配信のあるものまで様々です。

 

通信教育のメリットといえば、通学に比べて費用が安く済む(ことが多い)、スクールに通えない遠方に住んでいる人でも学びやすい、入学の時期が決まっていない講座が多く、通信ならば思い立った時にいつでも始められて自分のペースで勉強できる、メールや電話で質問もできる、通信講座修了後の就業サポートも充実etc…

 

あれ?このセールストーク、よく聞くし、よく見るトークですよね!こんなに良いことづくめとされている割には、実用書道に限らず、「通信教育で勉強して仕事になりました!」という声を、あまり聞かないのはなぜでしょうか?

 

それどころか、通信教育で挫折しました。。。という声ばかり聞くような気がしませんか?

 

通信教育は利益率が高い!スクールとしては、売りたい商品!!

かつて私が、大手スクールの社員として採用されたときの新人研修でのひとコマ。「通信教育は利益率が高いんですよ。だって、安いから、申し込んだだけで一回も課題を出さないで挫折する人、多いでしょ?それに課題を出してきたとしても、アルバイトに添削させるだけだから、通学講座よりも経費はかからない。本当は通学よりも通信の講座を売った方が会社の財務状況は良くなるんですよ!」この人事担当者の話は、嘘ではありませんでした。会社の業績が不振になると「通信教育を売りなさい」という上からの指示が営業担当者あてに飛んできたということは、「通信教育は単価こそ(通学よりも)安いものの利益率(会社の儲け)が高い」、だからこそ売る側にとってはおいしい講座なのです。

 

∴通信教育講座は儲けが大きいから売る側としては一生懸命売りたい⇒派手に宣伝する⇒衝動買い的に受講する人が多い⇒挫折する人も多い

 

実用書道講座に限らず、世間には実に様々な広告・宣伝や噂が飛び交います。通信講座を受講して添削をしてもらっただけで筆耕士になれる!と錯覚するかのような通信講座がもしあったとしても、すぐには飛びつかず、どうか少し冷静になって、本当に受講する価値があるのかを検討してみてください。

 

通信しか無理!と思う前に、もう少し検討できること、あれこれ…

・まず、そもそも本当にその通信講座を受講できるのか?

⇒思い立った時にいつでも始められて自分のペースで云々…というのは、裏を返せば「勉強する、しないは自分次第。挫折も、し放題。」ということ。かつで通信講座で挫折してしまった経験もある方(私もその一人です)は、その時のことをよく思い出してみてください。実用書道の講座だけは例外!今度こそ挫折しない!とは思わず、「挫折する危険性もはらんでいる」ことを理解したうえで検討してみてください。

 

・そもそも、本当に通学できないのか?

⇒遠方だから、仕事をしているから、子どもがいるからetc…通学できないから通信教育を、と考える方にはそれなりの理由があります。でも、本当に通学は無理なのでしょうか?例えば、実際に私が仕事をしながら2年半通った実用書道のスクールは、講座は月1回だけ。万一、その日に都合が悪くても、他のクラスに振り替え受講ができる、という体制だったため、(銀座の教室に)仙台から通っている方もいらっしゃいました。月1回だからこそ、できたのだと思います。家では宿題をきっちりやる。通学といっても、勉強はスクールだけでやるのではなく、書道関連の講座はむしろ自宅学習が多いです。そういう意味では通学も通信も変わりません。しかも通学の場合は先生から直接ご指導いただけたり、他の人の書いたものを見られるのも、よい勉強になります。

 

・そもそも、その字、本当に好きですか?

⇒通信であろうと通学であろうと、実用書道の講座を受講される前には、資料請求するなどして、その講座で教わる「字」を確認してみてください。字の良し悪しは、絶対的な上手い、下手だけでなく、好みもあります。いくら有名な先生が書いた字だといっても、なんとなくその字は自分の好みに合わない、ということはよくあることです。私も、かつてスクール選びをしたときには、資料を取り寄せ、まず「字」を確認しました。本当に書きたい!と思える字の教材でなければ長続きしないと思ったからです。

 

実は、私はかつて、プロの筆耕士を養成する(と銘打っている)講座の受講をほぼ決めかけていました。なんでも、営業手法まで指導してくれるとか。ところが、資料が届いたときの封筒の字を見てがっかり… そのスクールの先生が、一応 毛筆で書いたらしいのですが、縦画、横画の太さが同じゴシック体のような、太マジックで書かれたかのような字でした。しかも鉛筆の下書きの線が残っている雑な仕上がり…字そのものも、気品や優美さが全く感じられなかったのです。もちろん、(賞状に多く見られる)ゴシック体のようながっしりした字が好きという方もいらっしゃいます。でも私の好きな字ではなかったため、もっと字に気品が感じられる教材を使っている、別のスクール(通学講座)に入りました。結果、その選択は正解でした。

 

2〜3万円あったら良い本が何冊も買える!2〜3万円の重みを考えよう

通信教育で勉強しただけで筆耕士になれるのか?この質問については、YESとは言い難いです。通信教育だろうと通学だろうと、独学だろうと、勉強するのは自分自身。自分次第。筆耕を仕事にしたいというやる気を持った人が、よい教材を使って勉強をし、よい先生に見てもらえば、筆耕を仕事にできる日も近づきます。素質云々よりも、通信か通学、独学かどうかよりも、とにかく地道に練習を続けられることの方がより大切かと思います。

 

日経電子版で、「自己投資という名の無駄遣い」というタイトルの記事を見ました。このタイトルにドキッとした方は、安易に通信で勉強することを決める前に熟考した方が良いかもしれません。通信なら2〜3万円くらいで勉強できるから、という理由で始めたものの、結局何もならなかったということになるくらいなら、本当に良い教材を選んで独学した方がまだまし、ということだってあり得ます。通信に限らず、何らかの宣伝に踊らされることなく自分の目で見て、頭で考えて決断する、ということは大切です。

 

ちなみに、筆耕で2〜3万円というお金を得ることは大変なことです。仮に、どこかの筆耕会社から筆耕の仕事を請け負わせてもらえたとしても、筆耕会社からもらえる筆耕料を時給に換算したら最低賃金以下だった、ということは珍しくはありません。特に最初は、書くスピードも遅いわけですから、金銭面でかなり大変です。

 

主婦などをメインターゲットにしたよくある通信講座の宣伝文句「筆一本でらくらく高収入!」は、単なる宣伝です。普通にパートに出た方が、最低賃金が定められているため、よっぽど収入面では恵まれています。おまけに通信講座にお金を使わなくとも働き口は見つけられますから。

 

だからこそ、たかが2〜3万円とは思わずに、お金の大切さを考えたうえでどうやって勉強するのかを自分の頭で考える。スクールや講座の宣伝をうのみにしない。しっかり検討してから勉強方法を決めても、決して遅くはないと思います。

 

筆耕の仕事や資格について紹介しているサイトこそ要注意!!

筆耕のお仕事や資格、あるいは通信講座について解説しているサイトも目にするようになりましたが、それらのサイトで気になるのは、実用書道系の通信講座の宣伝。アフィリエイトの関係もあるのでしょう。広告が表示されたり、資料請求をすすめているところもあります。それらのサイトのすべてが悪いとは言いませんが、おいしい話ばかり書いてあったり、資料請求や受講を誘導するサイトには注意が必要です。

 

サイトの訪問者にとって有益な情報を提供するというよりもむしろ、そのサイトの訪問者が広告のバナーをクリックしたり、講座の資料請求や受講申し込みによってサイトの管理者が利益を得ることが目的である可能性が大いにあるでしょう。広告宣伝のにおいがするサイトには、くれぐれも冷静に対処しましょう。

 

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